これから暗号資産(仮想通貨)取引を始めたいけれど、何から学べばいいか分からない初心者の方へ。本記事では「暗号資産取引所とは何か」という基本から、手数料やセキュリティで比較した失敗しない選び方、Coincheckなどのおすすめ取引所まで徹底解説します。結論として、正しい知識を持って自分に合った取引所を選べば、初心者でも安心して取引を始められます。この記事を読めば、口座開設から購入までの全知識が身につきます。
暗号資産取引所とは そもそも何なのかを分かりやすく解説
「暗号資産(仮想通貨)を始めてみたいけど、取引所って一体何?」と感じている方も多いのではないでしょうか。暗号資産取引所は、ビットコインなどの暗号資産を売買するために不可欠なプラットフォームです。この章では、暗号資産取引所の基本的な役割や仕組み、そしてよく混同されがちな「販売所」との違いについて、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
1.1 暗号資産(仮想通貨)とは何か 基本を理解しよう
暗号資産取引所を理解する上で、まずは「暗号資産」そのものについて正しく知ることが重要です。暗号資産(一般的に「仮想通貨」とも呼ばれます)とは、インターネット上でやり取りできる、特定の国家に依存しないデジタルな資産のことを指します。
日本の法律(資金決済に関する法律)では、暗号資産は以下の性質を持つものとして定義されています。
- 不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(円やドル等)と相互に交換できる
- 電子的に記録され、移転できる
- 法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない
代表的なものにビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)があり、これらの暗号資産は「ブロックチェーン」という革新的な技術によって支えられています。ブロックチェーンは、取引の記録を鎖(チェーン)のようにつなげて管理する分散型のデータベースです。この技術により、データの改ざんが極めて困難になり、取引の透明性と安全性が担保されています。中央銀行のような管理者がいなくても価値を維持できる、この非中央集権的な性質が暗号資産の最大の特徴と言えるでしょう。
1.2 暗号資産取引所の役割と基本的な仕組み
暗号資産取引所とは、その名の通り、ビットコインなどの暗号資産を買いたい人と売りたい人が集まり、売買(取引)を行うための場所(プラットフォーム)です。株式を売買する際に証券取引所を利用するのと同じように、暗号資産を売買するためには暗号資産取引所を利用するのが一般的です。
暗号資産取引所が提供する主な役割は以下の通りです。
- 売買のマッチング:暗号資産を買いたい人(投資家)と売りたい人(投資家)の注文を仲介し、取引を成立させます。
- 価格の形成:多くの参加者の需要(買いたい)と供給(売りたい)のバランスによって、公正な市場価格が形成されます。
- 資産の保管(ウォレット):購入した暗号資産や取引のための日本円を安全に保管するためのデジタルな財布(ウォレット)機能を提供します。
- 日本円との交換:銀行口座から日本円を入金して暗号資産を購入したり、保有する暗号資産を売却して日本円に換え、銀行口座に出金したりする機能を提供します。
この仕組みにより、私たちは円滑かつ安全に暗号資産の取引を行うことができるのです。
1.3 意外と知らない 暗号資産取引所と販売所の違い
多くの国内暗号資産交換業者は、「取引所」と「販売所」という2つのサービスを提供しています。この2つは取引の相手や価格の決まり方が異なり、手数料にも大きく影響するため、違いをしっかり理解しておくことが重要です。
一言でまとめると、「取引所」はユーザー同士で取引する場所、「販売所」は暗号資産交換業者を相手に取引する場所です。それぞれの特徴を下の表で比較してみましょう。
項目 | 取引所形式 | 販売所形式 |
---|---|---|
取引の相手 | 他のユーザー(投資家) | 暗号資産交換業者 |
価格の決まり方 | 需要と供給で決まる市場価格(板取引) | 業者が提示する購入価格と売却価格 |
手数料 | 取引手数料がかかる場合がある(比較的安い) | 取引手数料は無料の場合が多い |
実質的なコスト | 取引手数料 | スプレッド(購入価格と売却価格の差額) |
メリット | コストを抑えて取引できる可能性がある | 操作がシンプルで、すぐに希望の数量を売買できる |
デメリット | 注文方法がやや複雑で、取引が成立しない場合がある | スプレッドが広く、取引所に比べてコストが高くなる傾向がある |
向いている人 | 少しでもコストを抑えたい中〜上級者 | 操作の簡単さを重視する初心者 |
初心者のうちは簡単な操作で確実に購入できる「販売所」が便利に感じるかもしれません。しかし、購入価格と売却価格の差である「スプレッド」が実質的な手数料となり、取引コストが割高になる傾向があります。取引に慣れてきたら、コストを抑えられる「取引所」形式での売買に挑戦することをおすすめします。
暗号資産取引所を利用するメリットとデメリット
暗号資産(仮想通貨)の取引を始めるにあたり、取引所を利用することには多くの利点がありますが、同時に注意すべき点も存在します。投資を成功させるためには、これらのメリットとデメリットを事前にしっかりと理解し、自分に合った方法で活用していくことが重要です。ここでは、暗号資産取引所を利用する際の主なメリットと、知っておくべきデメリットや注意点を具体的に解説します。
2.1 暗号資産取引所を利用する主なメリット
まずは、暗号資産取引所を利用することで得られるメリットを見ていきましょう。利便性や安全性、投資機会の拡大など、初心者にとっても魅力的なポイントが数多くあります。
2.1.1 いつでもどこでも取引が可能
株式市場とは異なり、暗号資産市場には取引時間の定めがありません。そのため、24時間365日、早朝でも深夜でも、土日祝日を問わずいつでも取引が可能です。多くの取引所がスマートフォン向けの専用アプリを提供しており、外出先や移動中でも価格のチェックや売買注文を手軽に行えるため、ライフスタイルに合わせて柔軟に取引できるのが大きな強みです。
2.1.2 少額から投資を始められる
「投資はまとまった資金が必要」というイメージがあるかもしれませんが、暗号資産取引は非常に少額からスタートできます。多くの国内取引所では、数百円や1円といった単位からビットコインなどの暗号資産を購入することが可能です。これにより、「まずは少しだけ試してみたい」という初心者の方でも、心理的なハードルを低くして気軽に暗号資産投資の世界に足を踏み入れることができます。
2.1.3 高い安全性と信頼性
日本国内で運営されている暗号資産取引所は、金融庁・財務局への登録が義務付けられています。これらの正規の暗号資産交換業者は、顧客から預かった資産と自社の資産を明確に分けて管理する「分別管理」や、資産の大部分をインターネットから切り離された「コールドウォレット」で保管するなど、法律に基づいた厳格なセキュリティ対策を講じています。国が定めた基準をクリアしているため、安心して資産を預けやすい環境が整備されています。
2.1.4 豊富な種類の暗号資産に投資できる
暗号資産取引所では、代表的なビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)だけでなく、多種多様な「アルトコイン」が取り扱われています。取引所ごとに取り扱い銘柄は異なりますが、数十種類以上の暗号資産から自分の投資方針や興味に合った銘柄を選んで投資できるのは大きなメリットです。将来性のある新たなプロジェクトに早期から投資できるチャンスも広がります。
2.1.5 取引以外で資産を増やすサービスがある
近年、多くの取引所では単純な売買だけでなく、資産を増やすための付加的なサービスを提供しています。例えば、保有している暗号資産を取引所に貸し出して利息を得る「レンディング」や、特定の暗号資産を保有(ステーキング)することで報酬を受け取れる「ステーキングサービス」などがあります。これらのサービスを活用することで、取引をしなくても安定的に資産を増やすことが期待できます。
2.2 暗号資産取引所を利用する際のデメリットと注意点
多くのメリットがある一方で、暗号資産取引には特有のリスクや注意点も存在します。これらを理解し、適切な対策を講じることが、大切な資産を守る上で非常に重要です。
2.2.1 価格変動(ボラティリティ)のリスク
暗号資産は、株式や法定通貨などの伝統的な金融資産と比較して、価格の変動幅(ボラティリティ)が非常に大きいという特徴があります。短期間で価格が数倍になる可能性がある一方で、急な暴落によって資産価値が大きく減少してしまうリスクも常に伴います。生活に必要なお金ではなく、失っても問題のない「余剰資金」の範囲で投資を行うことを徹底しましょう。
2.2.2 サイバー攻撃や不正アクセスのリスク
取引所は高度なセキュリティ対策を施していますが、サイバー攻撃によるハッキングのリスクが完全にゼロになるわけではありません。また、フィッシング詐欺などによって個人のログインIDやパスワードが盗まれ、アカウントが不正に操作される危険性もあります。「二段階認証」の設定は必須とし、パスワードの使い回しを避けるなど、自己防衛の意識を常に持つことが不可欠です。
2.2.3 システム障害やメンテナンスのリスク
相場が急変動して取引が集中した際などに、取引所のサーバーに負荷がかかり、一時的にサービスが利用できなくなる「システム障害」が発生することがあります。また、定期・不定期のメンテナンス中も取引はできません。価格が大きく動いている絶好の売買タイミングで、取引機会を逃してしまう可能性があることは、あらかじめ理解しておく必要があります。
2.2.4 各種手数料が発生する
暗号資産取引所の利用には、様々な手数料がかかります。主なものとして、暗号資産を売買する際の「取引手数料」、日本円を入金・出金する際の「入出金手数料」、保有する暗号資産を他のウォレットへ送る際の「送金手数料」などがあります。これらの手数料は取引所によって体系や金額が大きく異なるため、口座開設前に公式サイトで手数料体系をしっかりと確認し、自分の取引スタイルに合った取引所を選ぶことがコストを抑える上で重要です。
2.2.5 利益が出た場合の税金と確定申告
暗号資産の取引によって得た利益(所得)は、原則として「雑所得」として課税の対象となります。給与所得など他の所得と合算され、所得税が計算されます。会社員の方でも、暗号資産による所得が年間20万円を超えた場合は、自身で年間の損益を計算し、確定申告を行う必要があります。税金の計算は複雑になることもあるため、日頃から取引履歴を記録・管理しておくことが大切です。詳しくは国税庁のウェブサイトをご確認ください。(参考: 国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱いについて」)
初心者必見 暗号資産取引所の選び方 7つの重要ポイント
数ある暗号資産取引所の中から、自分に最適な一社を見つけるのは初心者にとって難しいかもしれません。しかし、いくつかの重要なポイントを押さえることで、後悔のない取引所選びが可能です。ここでは、暗号資産取引所を選ぶ際に必ずチェックしたい7つのポイントを詳しく解説します。
3.1 取り扱い暗号資産(仮想通貨)の種類と数で選ぶ
暗号資産取引所を選ぶ上で、まず確認したいのが取り扱っている暗号資産(仮想通貨)の種類と数です。有名なビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)はほとんどの取引所で扱っていますが、それ以外の「アルトコイン」と呼ばれる暗号資産のラインナップは取引所によって大きく異なります。
将来性のある様々なアルトコインに分散投資したいと考えている方は、取り扱い銘柄数が多い取引所を選ぶと良いでしょう。一方で、自分が投資したい特定の暗号資産(アルトコイン)が決まっている場合は、その銘柄を取り扱っているかどうかを最優先で確認しましょう。
国内の主要な取引所の取り扱い銘柄数を比較してみましょう。
取引所名 | 取扱銘柄数 | 主な特徴 |
---|---|---|
Coincheck(コインチェック) | 29種類 | アプリが使いやすく、初心者でも直感的に売買できる。NFTマーケットプレイスも展開。 |
DMM Bitcoin | 38種類 | レバレッジ取引の取扱銘柄数が豊富。各種手数料が無料なのも魅力。 |
GMOコイン | 26種類 | オリコン顧客満足度調査でNo.1の実績。手数料が安く、総合力が高い。 |
bitFlyer(ビットフライヤー) | 22種類 | ビットコイン取引量国内No.1。セキュリティに定評があり、長年の実績を持つ。 |
bitbank(ビットバンク) | 38種類 | アルトコインの取引量が国内でトップクラス。本格的なチャート分析ツールが利用可能。 |
※上記は記事執筆時点の情報です。最新の情報は各取引所の公式サイトをご確認ください。
3.2 各種手数料の安さで暗号資産取引所を選ぶ
暗号資産取引では、利益を最大化するために手数料をできるだけ抑えることが重要です。手数料には「取引手数料」「入出金手数料」「送金手数料」など、様々な種類があります。一見すると安く見えても、トータルで見るとコストがかさむケースもあるため、それぞれの内容をしっかり理解しておきましょう。
3.2.1 取引手数料について
取引手数料は、暗号資産を売買するたびに発生するコストです。多くの取引所では、取引形式(取引所・販売所)によって手数料体系が異なります。
「取引手数料無料」を掲げている取引所も多いですが、その場合でも注意が必要です。特に販売所形式では、手数料が無料の代わりに「スプレッド」と呼ばれる売値と買値の価格差が実質的な手数料となります。特に短期で頻繁に売買する予定の方は、取引手数料だけでなくスプレッドの狭さも重視して取引所を選ぶことが重要です。
3.2.2 日本円の入出金手数料について
取引を始めるには、まず日本円を取引所の口座に入金する必要があります。入金方法には「銀行振込」や「クイック入金(インターネットバンキングを利用した即時入金)」などがあり、それぞれ手数料が異なります。また、利益を確定して日本円を出金する際にも手数料がかかる場合があります。
特定の銀行からの振込手数料を無料にしている取引所や、クイック入金・出金手数料が無料の取引所を選ぶと、無駄なコストを削減できます。
3.2.3 暗号資産の送金手数料について
購入した暗号資産を、他の取引所や個人のウォレットなどに移動させる際に発生するのが送金手数料です。この手数料は、取引所や暗号資産の種類によって大きく異なります。
将来的にNFTゲームをプレイしたり、DeFi(分散型金融)を利用したりすることを考えている方は、外部への送金機会が増える可能性があります。暗号資産を外部に送金する可能性がある方は、送金手数料が無料または安い取引所を選ぶと長期的にコストを抑えられます。
3.3 セキュリティ対策の信頼性で暗号資産取引所を選ぶ
暗号資産はデジタルデータであるため、ハッキングなどのサイバー攻撃のリスクが常に伴います。自分の大切な資産を守るためにも、取引所のセキュリティ対策は最も重視すべき項目の一つです。信頼できる取引所は、利用者保護のために様々なセキュリティ対策を講じています。
以下のポイントが公式サイトなどで明記されているかを確認しましょう。
- コールドウォレット管理:顧客の資産の大部分を、インターネットから完全に切り離されたコールドウォレットで保管しているか。
- マルチシグ対応:送金の際に複数の秘密鍵を必要とする「マルチシグ(マルチシグネチャ)」を導入しているか。
- 顧客資産の分別管理:会社の資産と顧客の資産を明確に分けて管理しているか(法律で義務付けられています)。
- 二段階認証の提供:ログイン時や送金時に、パスワードに加えてスマートフォンアプリなどで生成される確認コードを求める二段階認証が利用できるか。
- 情報セキュリティ認証の取得:ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証など、第三者機関によるセキュリティ認証を取得しているか。
過去にハッキング被害があったかどうかだけでなく、その後の対策や補償体制がどうなっているかも確認すると、より安心して利用できるでしょう。
3.4 スマホアプリや取引ツールの使いやすさで選ぶ
暗号資産の価格は24時間365日変動するため、いつでもどこでも取引ができるスマートフォンアプリの使いやすさは非常に重要です。特に初心者の方は、チャートが見やすく、直感的に売買操作ができるシンプルなデザインのアプリを提供している取引所がおすすめです。
各社のアプリには、以下のような特徴があります。
- Coincheck:ダウンロード数No.1を誇り、シンプルで分かりやすい画面設計が初心者から高い評価を得ています。
- bitFlyer:シンプルな「販売所」画面と、より詳細な分析が可能な「bitFlyer Lightning」をアプリ内で切り替えられます。
- bitbank:60種類以上のテクニカル分析が可能な高機能チャートツール「TradingView」をアプリでも利用でき、中上級者にも人気です。
口座開設前に公式サイトやアプリストアのレビューを確認し、デモ画面などで操作感を試してみるのがおすすめです。自分にとってストレスなく使えるツールを提供している取引所を選びましょう。
3.5 最低取引金額と少額投資の可否で選ぶ
「いきなり大きな金額を投資するのは不安」と感じる初心者の方は少なくありません。そんな方には、少額から暗号資産取引を始められる取引所がおすすめです。
現在、国内の多くの取引所では、数百円単位という非常に少額から暗号資産を購入できます。例えば、ビットコインを「0.0001 BTC」から購入できるといった形式です。「ワンコイン(500円)から」など、無理のない範囲で始められる取引所を選ぶことで、リスクを抑えながら暗号資産投資の経験を積むことができます。
取引所名 | 最低取引金額(販売所) | 最低取引金額(取引所) |
---|---|---|
Coincheck | 500円相当額 | 500円相当額 |
bitFlyer | 1円相当額 | 0.001 BTCなど |
GMOコイン | 0.00001 BTCなど | 0.0001 BTCなど |
※通貨や取引形式によって異なります。詳細は各公式サイトでご確認ください。
3.6 サポート体制の充実度で選ぶ
口座開設の方法がわからない、操作ミスをしてしまった、など、取引を始めたばかりの頃は予期せぬトラブルや疑問点が出てくるものです。そんな時に、迅速かつ丁寧に対応してくれるサポート体制が整っていると心強いでしょう。
サポートのチャネル(メール、チャット、電話)や、対応時間(平日のみ、土日祝も対応など)は取引所によって異なります。特に初めて暗号資産取引を行う方は、疑問点をすぐに解決できる手厚いサポート体制が整っている取引所を選ぶと安心です。公式サイトの「よくある質問(FAQ)」が充実しているかも、事前に確認しておくと良いでしょう。
3.7 金融庁登録の国内暗号資産交換業者であることの重要性
これまで6つのポイントを解説してきましたが、これらすべての大前提となる最も重要なポイントが「金融庁の登録を受けていること」です。
日本国内で暗号資産交換業を営むには、資金決済法に基づき、金融庁・財務局への登録が義務付けられています。登録業者は、利用者保護の仕組み、情報セキュリティ、内部管理体制などについて厳しい審査基準をクリアしています。
海外には魅力的なサービスを提供する取引所もありますが、日本の法律の保護対象外であり、トラブルが発生した際に資産が戻ってこないリスクがあります。安全に取引を行うための大前提として、必ず金融庁の認可を受けた国内の暗号資産交換業者を選びましょう。
登録されている事業者は、金融庁のウェブサイトで確認することができます。
金融庁:暗号資産交換業者登録一覧
【2025年最新】初心者におすすめの国内暗号資産取引所を徹底比較
ここでは、数ある国内の暗号資産取引所のなかから、特に初心者の方におすすめできる5社を厳選して徹底比較します。前章で解説した「暗号資産取引所の選び方」で挙げた7つの重要ポイントを踏まえながら、各取引所の特徴、手数料、取り扱い銘柄、使いやすさなどを多角的に評価しました。ご自身の投資スタイルや目的に合った最適な取引所を見つけるための参考にしてください。
4.1 Coincheck(コインチェック)の特徴と評判
Coincheckは、マネックスグループ傘下のコインチェック株式会社が運営する暗号資産取引所です。スマートフォンのアプリが非常に見やすく、直感的な操作で暗号資産を売買できることから、投資経験のない初心者から絶大な支持を得ています。「暗号資産アプリ、ダウンロード数No.1」という実績もあり、最初に口座開設する取引所として非常に人気があります。
項目 | Coincheck(コインチェック)のスペック |
---|---|
取り扱い銘柄数 | 29種類 |
取引形式 | 販売所・取引所 |
各種手数料 | 取引所手数料:無料 入金手数料:無料(銀行振込) 出金手数料:407円 送金手数料:銘柄により異なる(例: BTC 0.0005 BTC) |
最低取引金額 | 販売所:500円相当額 取引所:0.005 BTC以上かつ500円相当額以上 |
スマホアプリ | 非常に使いやすいと評判 |
独自サービス | Coincheck NFT、Coincheck IEO、Coincheckつみたて、Coincheckでんき・ガス |
Coincheckの最大の魅力は、その圧倒的な使いやすさです。複雑な操作を必要とせず、誰でも簡単にビットコインやイーサリアムなどの主要な暗号資産を購入できます。また、NFTマーケットプレイスやIEO(Initial Exchange Offering)といった先進的なサービスにも積極的で、将来性のあるプロジェクトに初期から参加できるチャンスもあります。ただし、販売所のスプレッド(売値と買値の差)が広めに設定されている傾向があるため、頻繁に売買を繰り返す方よりも、まずは少額から購入して長期保有を考えている初心者の方に特におすすめです。取引所形式では一部の銘柄しか扱っていない点も留意しておきましょう。
4.2 bitFlyer(ビットフライヤー)の特徴と評判
bitFlyerは、株式会社bitFlyerが運営する国内最大級の暗号資産取引所です。ビットコインの取引量が6年連続で国内No.1という実績を誇り、高い流動性と安定した取引環境を提供しています。セキュリティ面でも業界トップクラスの評価を受けており、創業以来一度もハッキング被害に遭っていないことから、安心して資産を預けられる取引所として知られています。
項目 | bitFlyer(ビットフライヤー)のスペック |
---|---|
取り扱い銘柄数 | 22種類 |
取引形式 | 販売所・取引所(bitFlyer Lightning) |
各種手数料 | 販売所手数料:無料(スプレッドあり) 取引所手数料:約定数量×0.01~0.15% 入金手数料:無料(銀行振込) 出金手数料:220円~770円 送金手数料:銘柄により異なる(例: BTC 0.0004 BTC) |
最低取引金額 | 1円から |
スマホアプリ | シンプルで使いやすい |
独自サービス | bitFlyerクレカ、Tポイントをビットコインに交換、Braveブラウザとの連携 |
bitFlyerの強みは、その信頼性と実績にあります。大手企業が株主として名を連ねており、盤石な経営基盤を持っています。1円という非常に少額から暗号資産を購入できるため、「まずは試しに数百円だけ買ってみたい」という初心者の方のニーズにも応えてくれます。また、プロ向けの取引ツール「bitFlyer Lightning」では、現物取引だけでなくレバレッジ取引も可能です。普段のお買い物で貯めたTポイントをビットコインに交換できるユニークなサービスも提供しており、暗号資産をより身近に感じられる工夫がされています。セキュリティを最重視し、まずは信頼できる取引所で少額から始めたい方に最適な選択肢です。
4.3 GMOコインの特徴と評判
GMOコインは、東証プライム上場のGMOインターネットグループが運営する暗号資産取引所です。オリコン顧客満足度調査において「暗号資産取引所 現物取引」で3年連続No.1を獲得するなど、ユーザーからの評価が非常に高いことで知られています。日本円の入出金手数料や暗号資産の送金手数料が無料である点が最大の特長で、コストを抑えて取引したいユーザーにとって非常に魅力的です。
項目 | GMOコインのスペック |
---|---|
取り扱い銘柄数 | 26種類 |
取引形式 | 販売所・取引所 |
各種手数料 | 取引所手数料:Maker -0.01%, Taker 0.05% 入出金手数料:無料 送金手数料:無料 |
最低取引金額 | 販売所:0.00001 BTCなど 取引所:0.0001 BTCなど |
スマホアプリ | 高機能(ノーマルモード/トレーダーモード切替可) |
独自サービス | つみたて暗号資産、ステーキング、貸暗号資産、IEO |
GMOコインは、手数料の安さだけでなく、サービスの総合力でも他社をリードしています。取引所形式(Maker側)ではマイナス手数料を採用しており、取引をすればするほど手数料がもらえるというユニークな仕組みです。また、ステーキングサービスの対応銘柄数が国内トップクラスで、暗号資産を保有しているだけで報酬(インカムゲイン)を得られるため、長期投資家にも人気があります。スマホアプリは初心者向けの「ノーマルモード」と、高機能チャートなどを備えた「トレーダーモード」を切り替えられるため、ユーザーの習熟度に合わせて利用できる点も便利です。コストを徹底的に抑えたい方、ステーキングや貸暗号資産で効率的に資産を増やしたい方におすすめの取引所です。
4.4 DMM Bitcoinの特徴と評判
DMM Bitcoinは、DMM.comグループが運営する暗号資産取引所です。ローラさんを起用したテレビCMでもお馴染みで、高い知名度を誇ります。レバレッジ取引が可能な銘柄数が国内No.1であることが最大の特徴で、少ない資金で大きな利益を狙いたいトレーダーから支持されています。また、GMOコインと同様に各種手数料が無料(BitMatch取引手数料を除く)である点も魅力です。
項目 | DMM Bitcoinのスペック |
---|---|
取り扱い銘柄数 | 現物:38種類 / レバレッジ:34種類 |
取引形式 | 販売所(BitMatch注文あり) |
各種手数料 | 取引手数料:無料(スプレッドあり) 入出金手数料:無料 送金手数料:無料(マイナーへの手数料は自己負担) |
最低取引金額 | 0.0001 BTCなど |
スマホアプリ | STモードとEXモードの切替が可能で多機能 |
独自サービス | BitMatch注文、LINEでの365日サポート |
DMM Bitcoinは現物取引が販売所形式のみですが、「BitMatch注文」という独自の注文方法を提供しています。これは、DMM Bitcoin内の他のユーザーの注文とマッチングした場合、販売所のスプレッドよりも狭いコストで取引ができる仕組みです。コストを抑えたいユーザーにとって非常に有用な機能と言えるでしょう。また、サポート体制が充実しており、土日祝日を含め365日、LINEでの問い合わせにも対応しています。操作方法などで困った際にすぐに相談できる安心感は、初心者にとって大きなメリットです。レバレッジ取引に挑戦してみたい方や、手厚いサポートを重視する方に最適な取引所です。
4.5 bitbank(ビットバンク)の特徴と評判
bitbankは、ビットバンク株式会社が運営する暗号資産取引所です。アルトコインの取引量が国内トップクラスであり、「取引所」での売買をメインにしたいトレーダーから絶大な人気を誇ります。洗練されたUIの取引ツールを提供しており、世界中のトレーダーに利用されている「TradingView」のチャートをアプリ・PCの両方で利用できるため、本格的な相場分析が可能です。
項目 | bitbank(ビットバンク)のスペック |
---|---|
取り扱い銘柄数 | 38種類 |
取引形式 | 取引所・販売所 |
各種手数料 | 取引所手数料:Maker -0.02%, Taker 0.12% 入金手数料:無料(銀行振込) 出金手数料:550円/770円 送金手数料:銘柄により異なる(例: BTC 0.0006 BTC) |
最低取引金額 | 0.0001 BTCなど |
スマホアプリ | 取引・チャート分析に特化した本格仕様 |
独自サービス | 貸して増やす(レンディング)、暗号資産の自動積立 |
bitbankの最大の強みは、活発な「取引所」です。多くのアルトコインが板取引に対応しており、ユーザー同士で売買するため、販売所に比べてスプレッド(コスト)を大幅に抑えて取引できます。そのため、ビットコイン以外の様々なアルトコインを頻繁に売買したいと考えている中級者以上の方に特におすすめです。また、第三者機関による調査で国内No.1のセキュリティ評価を獲得した実績もあり、資産を安全に保管するという点でも信頼性が高いです。最初はCoincheckなどの初心者向け取引所で慣れてから、より有利な条件でアルトコインを取引するためにbitbankの口座を開設するというユーザーも少なくありません。
5. 暗号資産取引所の口座開設方法と取引開始までの簡単ステップ
暗号資産取引所の口座開設は、一見難しそうに感じるかもしれませんが、現在ではほとんどの取引所で手続きがオンラインで完結し、非常に簡単になっています。特に、スマートフォンを使った「eKYC(オンライン本人確認)」を利用すれば、申し込みから最短即日で取引を開始することも可能です。ここでは、口座開設に必要なものから、実際に暗号資産を購入するまでの流れを4つの簡単なステップに分けて、初心者の方にも分かりやすく解説します。
5.1 暗号資産取引所の口座開設に必要なものリスト
スムーズに口座開設手続きを進めるために、あらかじめ以下のものを準備しておきましょう。特に本人確認書類は、利用したい取引所がどの書類に対応しているか事前に確認しておくと安心です。
必要なもの | 主な内容と注意点 |
---|---|
メールアドレス | 登録や各種通知の受け取りに使用します。普段から利用している、確認しやすいアドレスを用意しましょう。フリーメール(GmailやYahoo!メールなど)で問題ありません。 |
スマートフォン | 取引所アプリの利用や二段階認証の設定、そして最も重要な「eKYC(オンライン本人確認)」での撮影に必要です。インターネットに接続できる環境で操作してください。 |
本人確認書類 | 運転免許証、マイナンバーカード、在留カードなどが一般的です。eKYCを利用する場合は、これらの顔写真付きの本人確認書類が1点あれば手続きできます。有効期限内であることを必ず確認してください。 |
銀行口座 | 日本円の入出金に使用します。必ず口座開設を申し込む本人名義の銀行口座が必要です。家族名義の口座などは利用できないため注意しましょう。 |
5.2 暗号資産取引所の口座開設手順をステップ解説
必要なものが準備できたら、実際に口座開設の手続きに進みましょう。ここでは、多くの国内取引所で採用されている一般的な流れを解説します。
5.2.1 ステップ1:メールアドレスの登録とアカウント作成
まず、利用したい暗号資産取引所の公式サイトにアクセスし、「口座開設」ボタンをクリックします。メールアドレスと、ログイン時に使用するパスワードを設定して登録します。登録したメールアドレスに取引所から確認メールが届くので、メール本文に記載されているリンクをクリックしてアカウント作成を完了させます。
5.2.2 ステップ2:基本情報の入力
次に、氏名、住所、生年月日、電話番号といったお客様情報を入力します。加えて、職業、年収、投資経験、取引目的などに関する質問にも回答する必要があります。これらの情報は、犯罪収益移転防止法に基づいて確認が義務付けられているものです。本人確認書類に記載されている情報と相違がないよう、正確に入力してください。
5.2.3 ステップ3:本人確認(eKYC)の実施
基本情報の入力が終わると、本人確認の手続きに進みます。現在、主流となっているのが「eKYC(かんたん本人確認)」です。スマートフォンのカメラを使い、画面の指示に従って本人確認書類(運転免許証など)とご自身の顔を撮影するだけで完了します。郵送での本人確認に比べて、手続きがスピーディーで、最短当日から取引を始められるという大きなメリットがあります。
5.2.4 ステップ4:審査と口座開設完了の通知
すべての手続きが完了すると、暗号資産取引所による審査が行われます。審査基準は公表されていませんが、入力情報や本人確認書類に不備がなければ、通常は問題なく通過します。eKYCを利用した場合、審査は早ければ数十分~数時間で完了します。審査に通過すると、口座開設完了の通知がメールで届き、取引を開始できるようになります。
5.3 日本円の入金方法
口座開設が完了したら、次は暗号資産を購入するための日本円を入金します。主な入金方法は以下の通りです。ご自身の利用しやすい方法を選びましょう。
入金方法 | 特徴 | 注意点 |
---|---|---|
銀行振込 | 指定された取引所の口座へ、ご自身の銀行口座から振り込む方法です。ATMやネットバンキングから手続きできます。 | 振込手数料は自己負担となる場合が多いです。また、振込人名義は必ず口座名義と同一にする必要があります。 |
クイック入金(インターネットバンキング) | 取引所が提携している金融機関のインターネットバンキングを利用して、24時間365日ほぼリアルタイムで入金できる方法です。 | 手数料が無料の場合が多く、非常に便利ですが、利用できる金融機関が限られている場合があります。 |
コンビニ入金 | 一部の取引所で対応しており、コンビニの端末を操作して入金する方法です。 | 手軽ですが、別途手数料がかかることが多く、入金上限額が設定されている場合があります。 |
入金が完了すると、取引所の口座に日本円残高が反映されます。これで暗号資産を購入する準備が整いました。
5.4 暗号資産(仮想通貨)の購入方法 初心者向けガイド
日本円の入金が確認できたら、いよいよ暗号資産を購入します。暗号資産の購入には、主に「販売所」と「取引所」の2つの形式があります。初心者の方は、まず操作が簡単な「販売所」から試してみるのがおすすめです。
5.4.1 販売所での購入方法:最も簡単な方法
販売所は、暗号資産取引所を相手に暗号資産を売買する形式です。操作が非常にシンプルで、初心者の方でも直感的に購入できます。
- 取引所のアプリやサイトにログインし、「販売所」を選択します。
- 購入したい暗号資産(例:ビットコイン)を選びます。
- 購入したい金額(例:「10,000円分」)または数量(例:「0.001 BTC」)を入力します。
- 「購入する」ボタンをタップし、確認画面で内容に間違いがなければ注文を確定します。
これだけで購入は完了です。提示された価格ですぐに購入できる手軽さが最大のメリットですが、「スプレッド」と呼ばれる売値と買値の価格差が実質的な手数料となるため、次に説明する取引所形式に比べてコストが割高になる傾向があります。
5.4.2 取引所での購入方法:手数料を抑えたい方向け
取引所は、他のユーザーと直接暗号資産を売買する形式です。「板(いた)」と呼ばれる売買注文の一覧を見ながら取引を行います。
- 取引所のアプリやサイトにログインし、「取引所」を選択します。
- 取引したい暗号資産のペア(例:「BTC/JPY」)を選びます。
- 「指値(さしね)注文」または「成行(なりゆき)注文」を選択します。
- 指値注文:購入したい価格と数量を指定して注文を出します。指定した価格で売りたい人が現れると取引が成立します。
- 成行注文:価格を指定せず、その時点の最も有利な価格で即座に購入する注文です。
- 注文内容を入力し、発注します。
取引所形式は、販売所に比べてスプレッドが狭く、取引手数料も安いためコストを抑えられるというメリットがあります。一方で、操作がやや複雑で、指値注文の場合は希望の価格で必ずしも取引が成立するとは限らない点に注意が必要です。まずは少額から取引に慣れていくと良いでしょう。
6. 暗号資産取引所で注意すべきことと大切なセキュリティ対策
暗号資産取引は大きな利益が期待できる一方で、様々なリスクや注意すべき点が存在します。特に、大切な資産を失わないためには、セキュリティ対策が極めて重要です。この章では、暗号資産取引を始める前に必ず知っておきたいリスク、自分でできる具体的なセキュリティ対策、そして利益が出た場合の税金について詳しく解説します。
6.1 知っておきたい暗号資産取引のリスク
暗号資産取引には、従来の金融商品とは異なる特有のリスクが伴います。事前にこれらのリスクを正しく理解し、許容できる範囲で取引を行うことが大切です。
6.1.1 価格変動リスク
暗号資産は、株式や為替などと比較して価格の変動(ボラティリティ)が非常に大きいという特徴があります。24時間365日市場が開いているため、短時間で価格が急騰・急落する可能性があり、大きな利益を得られる可能性がある反面、予期せぬ大きな損失を被るリスクもあります。
6.1.2 流動性リスク
取引量が少ない銘柄(アルトコインや草コインと呼ばれる)は、希望する価格やタイミングで売買が成立しない「流動性リスク」があります。特に、大量の注文を出した場合、自分の注文によって価格が大きく変動してしまったり、そもそも取引の相手方が見つからず、売りたいときに売れない、買いたいときに買えないという事態に陥る可能性があります。
6.1.3 システムリスク
暗号資産取引所のシステム障害やサーバーダウン、緊急メンテナンスなどによって、一時的に取引ができなくなるリスクです。価格が大きく動いている重要なタイミングで取引機会を逃し、損失につながる可能性があります。
6.1.4 カウンターパーティリスク(取引所の倒産リスク)
利用している暗号資産取引所がハッキングや経営不振によって倒産するリスクです。日本の法律では、利用者の資産と取引所の資産を分けて管理する「分別管理」が義務付けられていますが、万が一の事態が発生した場合に、預けていた資産が全額返還される保証はありません。そのため、信頼性の高い取引所を選ぶことが非常に重要です。
6.1.5 サイバー攻撃・ハッキングリスク
暗号資産取引所や個人のウォレットがサイバー攻撃を受け、保有している暗号資産が盗難されるリスクです。過去には国内外の取引所で大規模なハッキング事件が発生しています。取引所側のセキュリティ対策だけでなく、利用者自身がセキュリティ意識を高く持つことが不可欠です。
6.2 自分でできる暗号資産取引所のセキュリティ対策 二段階認証など
取引所がどれだけ強固なセキュリティを敷いていても、利用者個人のアカウント情報が漏洩してしまっては意味がありません。自分の資産は自分で守るという意識を持ち、以下の対策を必ず実施しましょう。
6.2.1 二段階認証(2FA)の設定
二段階認証は、不正ログインを防ぐための最も基本的かつ重要なセキュリティ対策です。IDとパスワードによる認証に加えて、スマートフォンアプリ(Google Authenticatorなど)で生成される一度きりの確認コードを入力することで、第三者による不正アクセスを格段に困難にします。口座を開設したら、必ず最初に設定してください。
6.2.2 パスワードの管理
パスワードは、セキュリティの基本です。以下の点を徹底しましょう。
- 推測されにくい複雑なパスワードにする:英大文字・小文字・数字・記号を組み合わせ、12文字以上の長く複雑なパスワードを設定しましょう。
- パスワードを使い回さない:他のウェブサービスと同じパスワードを使い回すのは絶対にやめましょう。万が一、他のサービスから情報が漏洩した場合、暗号資産取引所のアカウントも危険に晒されます。
- 定期的に変更する:可能であれば、定期的にパスワードを変更することが望ましいです。
6.2.3 ログイン通知・アラート機能の活用
多くの取引所では、ログインや出金手続きがあった際にメールで通知してくれる機能があります。これらの通知を有効にしておくことで、万が一の不正アクセスを早期に検知することができます。
6.2.4 フィッシング詐欺への注意
取引所を装った偽のメールやSMSを送りつけ、偽サイトへ誘導してIDやパスワードを盗み取る「フィッシング詐欺」が多発しています。メールやSMSに記載されたリンクから安易にログインせず、必ずブックマークや公式アプリからアクセスする習慣をつけましょう。
6.2.5 使用するデバイスとネットワークのセキュリティ
取引に使用するパソコンやスマートフォンがウイルスに感染すると、入力情報が盗まれる危険性があります。セキュリティソフトを導入し、OSやアプリは常に最新の状態に保ちましょう。また、カフェや公共施設などのフリーWi-Fiは通信が暗号化されていない場合があり、通信内容を傍受されるリスクがあるため、暗号資産の取引には使用しないようにしてください。
6.3 暗号資産取引の税金 利益が出た場合の確定申告について
暗号資産取引で得た利益は、所得税の課税対象となります。税金のルールを知らずにいると、後から追徴課税などのペナルティを受ける可能性もあるため、基本的な知識を身につけておきましょう。
6.3.1 暗号資産の利益は「雑所得」
暗号資産の取引で得た利益は、原則として「雑所得」に分類されます。雑所得は、給与所得など他の所得と合算して税額を計算する「総合課税」の対象となり、所得が多いほど税率が高くなる累進課税が適用されます。
6.3.2 利益が発生する主なタイミング
暗号資産取引では、日本円に換金したときだけでなく、様々なタイミングで利益(所得)が発生したとみなされます。代表的なケースは以下の通りです。
タイミング | 内容 |
---|---|
暗号資産を売却した時 | 保有している暗号資産を売却して日本円を得た場合。(売却価格 – 取得価格 = 利益) |
暗号資産で他の暗号資産を購入した時 | 保有しているビットコインでイーサリアムを購入した場合など。(その時点での他の暗号資産の時価 – 保有暗号資産の取得価格 = 利益) |
暗号資産で商品やサービスを購入した時 | 保有している暗号資産で決済を行った場合。(商品の価格 – 保有暗号資産の取得価格 = 利益) |
マイニングやステーキングなどで報酬を得た時 | 暗号資産のマイニング、ステーキング、レンディングなどで報酬として暗号資産を得た場合。(報酬を得た時点での時価 = 利益) |
6.3.3 確定申告が必要になるケース
会社員などの給与所得者と、それ以外の方で確定申告が必要になる条件が異なります。
対象者 | 確定申告が必要な条件 |
---|---|
会社員など(給与所得者) | 給与所得や退職所得以外の所得(暗号資産の利益を含む)の合計額が年間20万円を超える場合。 |
専業主婦、学生など(被扶養者) | 暗号資産の利益を含む合計所得金額が年間48万円(基礎控除額)を超える場合。 |
これらの条件に当てはまる場合は、原則として翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告を行う必要があります。年間の取引履歴をすべて記録し、正確な損益計算を行うことが重要です。多くの取引所では年間取引報告書をダウンロードできるほか、複雑な計算をサポートする専門の損益計算ツールも存在します。
暗号資産の税金に関するルールは複雑であり、今後変更される可能性もあります。正確な情報については、必ず国税庁のウェブサイトを確認するか、税務署や税理士などの専門家にご相談ください。
7. 暗号資産取引所に関するよくある質問 FAQ
ここでは、暗号資産取引所を利用する上で、多くの人が疑問に思う点をQ&A形式で解説します。口座開設や取引を始める前に、これらの知識を身につけておくことで、よりスムーズで安全な暗号資産投資の第一歩を踏み出すことができるでしょう。
7.1 複数の暗号資産取引所で口座を開設するメリットは?
暗号資産取引に慣れてきた多くの投資家は、複数の取引所で口座を開設して使い分けています。一つの取引所だけでなく、複数の口座を持つことには、初心者にとっても多くのメリットがあります。主なメリットを以下にまとめました。
- リスクの分散:万が一、利用している取引所がハッキング被害に遭ったり、予期せぬシステム障害や長期メンテナンスが発生したりした場合、資産が凍結されたり取引機会を失ったりするリスクがあります。複数の取引所に資産を分散させておくことで、こうした不測の事態に備えることができます。
- 取り扱い銘柄の拡充:取引所によって購入できる暗号資産の種類は異なります。A社では取り扱っていないけれどB社では取り扱っている、といったアルトコインは数多く存在します。複数の口座を持つことで、投資したい銘柄を売買できる機会が格段に広がります。
- 手数料の最適化:取引手数料、入出金手数料、送金手数料などは取引所ごとに設定が異なります。例えば、「ビットコインの取引は手数料が安いA社で、イーサリアムの送金は手数料が無料のB社で」というように、取引内容に応じて最もコストを抑えられる取引所を使い分けることで、効率的な資産運用が可能になります。
- アービトラージ(裁定取引)の機会:上級者向けの取引手法ですが、暗号資産は取引所によって同じ銘柄でも価格がわずかに異なる場合があります。この価格差を利用して、安い取引所で購入し、高い取引所で売却することで利益を得る「アービトラージ」という手法があり、複数の口座を持つことがその前提となります。
口座開設自体は無料でできる取引所がほとんどですので、まずは主要な2〜3社の口座を開設し、それぞれの特徴を実際に使いながら比較してみることをおすすめします。
7.2 暗号資産取引所のレバレッジ取引とは? 初心者向け解説
レバレッジ取引とは、口座に預け入れた証拠金(担保となる資金)をもとに、その何倍もの金額で取引ができる仕組みのことです。「てこ(Lever)」の原理のように、少ない資金で大きな利益を狙える可能性があることから、この名前がついています。
例えば、証拠金10万円でレバレッジ2倍の取引を行う場合、20万円分の取引が可能になります。国内の暗号資産取引所では、法律により最大2倍までのレバレッジが認められています。
レバレッジ取引と、通常の売買である現物取引には、以下のような違いがあります。
項目 | レバレッジ取引 | 現物取引 |
---|---|---|
最大レバレッジ | 最大2倍(国内取引所の場合) | 1倍(レバレッジなし) |
取引対象 | 暗号資産の売買差益(決済が必要) | 暗号資産そのもの |
利益が出る相場 | 価格の上昇・下落の両方(「買い」と「売り」から取引可能) | 価格の上昇(安く買って高く売る) |
主なリスク | 証拠金を上回る損失の可能性、ロスカット | 購入した暗号資産の価値がゼロになる可能性 |
レバレッジ取引は、下落相場でも「売り(ショート)」から入ることで利益を狙えるメリットがありますが、一方で価格が予想と反対に動いた場合、損失もレバレッジをかけた分だけ大きくなります。損失が一定水準に達すると、さらなる損失拡大を防ぐために「ロスカット」という強制決済の仕組みが執行されますが、相場の急変動時には間に合わず、証拠金以上の損失が発生するリスクも伴います。
レバレッジ取引はハイリスク・ハイリターンな取引手法であり、暗号資産取引の経験が浅い初心者の方が安易に手を出すことは推奨されません。まずは現物取引で経験を積み、市場の動きやリスク管理について十分に理解してから、少額で試すようにしましょう。
7.3 暗号資産の保管方法 ウォレットとは何か?
ウォレットとは、その名の通り、暗号資産を保管しておくための「お財布」です。銀行口座における「口座番号」にあたる「アドレス」と、「暗証番号」にあたる「秘密鍵」で構成されており、暗号資産の送受信や残高管理に使用します。
取引所の口座を開設すると、その取引所内にお客様専用のウォレットが作成されますが、それ以外にも自分で管理するタイプのウォレットが存在します。ウォレットは、インターネットへの接続状況によって大きく2種類に分類されます。
7.3.1 ホットウォレット
常にインターネットに接続されているウォレットです。取引所のウォレットや、スマートフォンアプリ、ウェブブラウザ上で利用するものがこれに該当します。いつでも手軽に送金や決済ができる利便性の高さがメリットですが、オンライン上にあるため、ハッキングなどサイバー攻撃の対象となるリスクがあります。
7.3.2 コールドウォレット
インターネットから完全に切り離された状態で暗号資産を管理するウォレットです。専用のUSBデバイスのような「ハードウェアウォレット」や、秘密鍵を紙に印刷して保管する「ペーパーウォレット」などがあります。オフラインで管理するためセキュリティが非常に高い反面、取引のたびにオンラインに接続する必要があるため、利便性ではホットウォレットに劣ります。
種類 | 代表例 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
ホットウォレット | 取引所のウォレット、スマホアプリのウォレット、ウェブウォレット | 利便性が高い、すぐに取引できる | ハッキングリスクがある、オンライン環境が必要 |
コールドウォレット | ハードウェアウォレット、ペーパーウォレット | セキュリティが非常に高い | 利便性が低い、物理的な紛失・盗難リスクがある |
取引所に預けている資産は、取引所が管理するホットウォレットで保管されていることがほとんどです。そのため、頻繁に取引しない長期保有目的のまとまった資産については、ハッキングや取引所の倒産リスクから資産を保護するため、自分自身で管理するコールドウォレットに移して保管することが推奨されています。初心者のうちは取引所のウォレットで問題ありませんが、資産額が大きくなってきたら、ハードウェアウォレットの導入を検討してみましょう。
8. まとめ
本記事では、暗号資産取引所の基本からメリット・デメリット、具体的な選び方までを網羅的に解説しました。暗号資産取引所は、ビットコインなどを売買するために不可欠なサービスです。取引所を選ぶ際は、手数料の安さ、セキュリティの高さ、使いやすさなどを総合的に比較検討することが重要です。まずは無料の口座開設から、暗号資産投資の第一歩を踏み出してみましょう。
Zerofieldでは、暗号資産マイニングに特化した高性能なマイニングマシンを提供し、事業収益の拡大をサポートしています。また、大手企業の暗号資産事業支援を行うなど新たな事業展開をしております。新たな収益源として暗号資産マイニングに挑戦したいとお考えの方は、【資料請求】から弊社のマイニングマシンとサポートをご検討ください。
投稿者

ゼロフィールド
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