「今期の利益が多く、効果的な節税方法を探している」そんな中小企業経営者の方へ。

本記事では、注目を集める自動販売機を活用した節税の仕組みを、初心者にも分かりやすく解説します。自動販売機で節税ができる最大の理由は、購入費用を「少額減価償却資産の特例」などを利用して一括で経費計上(即時償却)できるためです。

この記事を読めば、具体的な節税シミュレーションから、福利厚生といったメリット、税務調査で否認されないための注意点、そして業者選びから確定申告までの具体的な始め方まで、全てを網羅的に理解できます。

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目次
  1. 自動販売機による節税とはその仕組みを解説
    1. 1.1 なぜ自動販売機が経費として認められるのか
    2. 1.2 節税の鍵は減価償却と特例制度
      1. 1.2.1 少額減価償却資産の特例を適用する
      2. 1.2.2 中小企業経営強化税制を利用する
    3. 1.3 自動販売機節税の具体的なシミュレーション
  2. 自動販売機での節税が中小企業に人気の理由
    1. 2.1 即時償却による短期的な節税効果
    2. 2.2 節税以外のメリットも豊富
      1. 2.2.1 従業員の福利厚生向上
      2. 2.2.2 新たな収益源の確保
      3. 2.2.3 社会貢献活動への活用
    3. 2.3 他の節税対策と比較した優位性
  3. 自動販売機を設置する際の注意点とデメリット
    1. 3.1 税務調査で否認されないためのポイント
    2. 3.2 設置スペースや電気代などの維持コスト
    3. 3.3 すべての自動販売機が節税対象ではない
  4. 自動販売機節税の始め方 完全ガイド
    1. 4.1 ステップ1 自動販売機設置業者を選ぶ
      1. 4.1.1 大手飲料メーカー(サントリー・コカコーラ等)の特徴
      2. 4.1.2 専門販売会社の特徴
    2. 4.2 ステップ2 設置する自動販売機の種類と購入方法を決める
      1. 4.2.1 新品と中古どちらが良いか
      2. 4.2.2 購入とリースの違い
    3. 4.3 ステップ3 設置から経費計上までの流れ
    4. 4.4 ステップ4 確定申告での手続き方法
  5. 自動販売機の節税に関するよくある質問
    1. 5.1 個人事業主でも自動販売機で節税できますか
    2. 5.2 中古の自動販売機でも節税効果はありますか
    3. 5.3 どのくらいの利益が出れば節税になりますか
  6. まとめ

自動販売機による節税とはその仕組みを解説

「自動販売機を設置するだけで節税になる」と聞いて、その仕組みに疑問を持つ経営者の方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、自動販売機の購入費用を適切に経費計上することで、法人税や所得税の課税対象となる所得を圧縮し、結果として納税額を抑えることが可能です。これは、単に経費が増えるという話だけではありません。節税効果を最大化する鍵は、「減価償却」という会計ルールと、国が用意している「特例制度」をうまく活用する点にあります。この章では、自動販売機がなぜ節税に繋がるのか、その具体的な仕組みを分かりやすく解説していきます。

1.1 なぜ自動販売機が経費として認められるのか

税法上の大原則として、事業の売上を上げるために直接的または間接的に必要な支出は「経費(損金)」として認められます。自動販売機は、以下の目的で設置されることで事業との関連性が明確になり、その購入費用や維持管理費が経費として認められます。

  • 従業員の福利厚生:従業員がいつでも飲み物を購入できる環境を整えることは、労働環境の改善や満足度向上につながる福利厚生施策の一環と見なされます。
  • 来客者へのサービス提供:オフィスや店舗に来訪されたお客様への飲料提供用として設置する場合、接客費用やサービス向上施策としての経費計上が可能です。
  • 新たな収益源の確保:設置場所によっては、飲料の販売利益が新たな収益の柱となり得ます。この場合、自動販売機は収益を生むための「事業用資産」として明確に位置づけられます。

このように、事業運営上の明確な目的を持って設置されるため、自動販売機は事業に必要な資産と判断され、その費用は経費として計上できるのです。

1.2 節税の鍵は減価償却と特例制度

自動販売機のような高額な資産は、購入した年に全額を経費にするのではなく、「減価償却」という手続きを経て、定められた耐用年数にわたって分割して経費計上するのが原則です。自動販売機の法定耐用年数は、一般的に「器具及び備品」の「自動販売機(両替機を含む)」に該当し、6年と定められています。

しかし、この原則通りに6年かけて経費化すると、単年度の節税効果は限定的です。そこで重要になるのが、特定の条件を満たすことで、購入した年に一括で経費計上(即時償却)できる特例制度の活用です。この特例を適用することで、短期的に大きな節税効果を得ることが可能になります。

1.2.1 少額減価償却資産の特例を適用する

青色申告書を提出する中小企業者等(資本金1億円以下の法人など)が利用できる制度で、正式名称を「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」といいます。この制度を活用することで、取得価額が30万円未満の減価償却資産について、年間合計300万円を上限に、購入・事業利用を開始した年度に全額を経費として計上できます。

例えば、25万円の中古自動販売機を購入した場合、この特例を適用すれば、購入したその年の経費として25万円全額を計上することが可能です。比較的手軽に始められるため、多くの企業で活用されています。詳細な要件については、国税庁のウェブサイトで確認することをおすすめします。

1.2.2 中小企業経営強化税制を利用する

こちらは、より高額な新品の自動販売機などを導入する際に検討したい制度です。中小企業等経営強化法に基づき「経営力向上計画」の認定を受けた中小企業が、特定の設備を導入した場合に「即時償却」または「最大10%の税額控除」のいずれかを選択できる非常に強力な制度です。

自動販売機が「生産性向上設備(A類型)」や「収益力強化設備(B類型)」として認められれば、たとえ取得価額が30万円以上(例えば150万円)の新品であっても、購入年度に全額を即時償却できる可能性があります。ただし、事前に事業計画を策定し、国の認定を受ける必要があるなど、手続きは少額減価償却資産の特例に比べて複雑になります。詳しくは中小企業庁のウェブサイトで最新の情報を確認してください。

1.3 自動販売機節税の具体的なシミュレーション

特例制度を利用した場合としない場合で、節税効果にどれだけの差が生まれるのか、具体的な数字で見てみましょう。ここでは、150万円の自動販売機を購入し、中小企業経営強化税制を利用して即時償却した場合をシミュレーションします。

項目特例を利用しない場合(通常の減価償却)特例を利用した場合(即時償却)
課税所得(購入前)1,000万円1,000万円
自動販売機購入価格150万円150万円
初年度の損金算入額25万円(150万円 ÷ 耐用年数6年)150万円(全額)
課税所得(購入後)975万円(1,000万円 – 25万円)850万円(1,000万円 – 150万円)
法人税額(税率30%と仮定)292.5万円255万円
初年度の節税額7.5万円45万円

※上記は簡略化したシミュレーションであり、実際の税額は資本金、所得額、各種控除などによって変動します。

この表から分かるように、特例制度を利用して即時償却を行うことで、初年度の節税額に40万円以上の差が生まれ、手元に残るキャッシュフローが大幅に改善されます。このように、多額の利益が見込まれる年度に自動販売機を導入し、特例を適用して即時償却することは、非常に効果的な決算対策となるのです。

自動販売機での節税が中小企業に人気の理由

自動販売機を活用した節税策が、多くの中小企業経営者から注目を集めています。その理由は、単に税負担を軽減できるだけでなく、事業運営において多角的なメリットを享受できる点にあります。ここでは、なぜ自動販売機での節税が人気なのか、その具体的な理由を深掘りしていきます。

2.1 即時償却による短期的な節税効果

自動販売機節税が持つ最大の魅力は、購入費用を一括で経費計上できる「即時償却」による短期的な節税効果です。通常、10万円以上の資産は耐用年数に応じて数年かけて経費化する「減価償却」を行いますが、特定の税制特例を利用することで、購入したその年の経費として全額を損金算入できます。

例えば、決算を間近に控えた時期に想定以上の利益が見込まれる場合、急いで節税対策を講じる必要があります。自動販売機を導入し、後述する「少額減価償却資産の特例」や「中小企業経営強化税制」を適用すれば、購入費用分だけ課税対象となる所得を圧縮できます。これにより、法人税や事業所得税の支払いをその期のうちに効果的に抑えることが可能となり、手元に残るキャッシュを最大化できるのです。この即効性の高さが、多くの経営者にとって強力なインセンティブとなっています。

2.2 節税以外のメリットも豊富

自動販売機の導入は、節税という直接的な金銭メリットにとどまりません。企業の価値を高める、以下のような副次的な効果も期待できます。

2.2.1 従業員の福利厚生向上

オフィスや工場に従業員がいつでも利用できる自動販売機を設置することは、優れた福利厚生施策の一つです。特に、周辺にコンビニやスーパーがない立地の場合、従業員は休憩時間に手軽に飲み物を購入でき、労働環境への満足度が大きく向上します。

市場価格よりも安価に提供すれば、従業員はさらにメリットを感じるでしょう。働きやすい環境づくりは、従業員のエンゲージメントや定着率の向上に直結し、ひいては採用活動における企業の魅力付け-mark>にも繋がります。人材確保が経営の重要課題となる現代において、これは見過ごせないメリットです。

2.2.2 新たな収益源の確保

自動販売機は、経費として計上できるだけでなく、設置後は継続的な収益を生み出す「資産」にもなり得ます。飲料の販売価格と仕入れ値の差額、いわゆる「販売マージン」が企業の新たな収益源となるのです。

設置場所の人通りや利用頻度、販売する商品のラインナップを工夫することで、収益性を高めることが可能です。例えば、工場や倉庫であればエナジードリンクや栄養補助食品、オフィスであれば特定保健用食品(トクホ)のお茶やこだわりのコーヒーなどが人気を集めるかもしれません。節税をきっかけに導入した自動販売機が、長期的に会社の利益に貢献する可能性を秘めています。

2.2.3 社会貢献活動への活用

企業の社会的責任(CSR)が重視される現代において、自動販売機は社会貢献活動のツールとしても活用できます。これは「寄付型自動販売機」と呼ばれるもので、売上の一部が自動的にNPO法人や地域の福祉団体、環境保全団体などに寄付される仕組みです。

例えば、日本財団が推進する「夢の貯金箱」プロジェクトに参加すれば、飲み物を購入するだけで社会貢献に繋がります。こうした取り組みは、企業のブランドイメージ向上や地域社会との良好な関係構築に大きく貢献し、従業員の社会貢献への意識を高める効果も期待できます。

2.3 他の節税対策と比較した優位性

中小企業が取りうる節税対策には様々な種類がありますが、自動販売機はその中でもユニークな優位性を持っています。他の代表的な節税策と比較してみましょう。

節税対策即時性(即時償却)収益性福利厚生効果換金性・資産価値
自動販売機◎(可能)◎(可能)◎(高い)○(中古市場あり)
経営セーフティ共済◎(全額損金)×(なし)×(なし)△(解約まで資金拘束)
役員保険(生命保険)△(一部損金)×(なし)×(なし)△(解約返戻率による)
社用車購入△(減価償却)×(間接的に貢献)△(限定的)○(中古市場あり)

上の表が示すように、自動販売機は「即時償却による短期的な節税」「継続的な収益」「福利厚生の向上」という3つのメリットを同時に実現できる数少ない選択肢です。経営セーフティ共済は資金が長期間拘束され、役員保険は換金性や損金算入割合に制約があります。その点、自動販売機は物理的な資産として手元に残り、いざとなれば中古市場で売却することも可能です。これらの複合的なメリットが、他の節税策にはない大きな魅力となり、多くの中小企業に選ばれる理由となっています。

自動販売機を設置する際の注意点とデメリット

自動販売機による節税は多くのメリットがある一方で、導入前に知っておくべき注意点やデメリットも存在します。節税効果を最大化し、後々のトラブルを避けるためにも、以下のポイントを必ず確認しておきましょう。

3.1 税務調査で否認されないためのポイント

節税目的で自動販売機を導入した際に最も懸念されるのが、税務調査で経費として認められない「否認」のリスクです。税務署から「事業との関連性が薄い」「租税回避行為である」と判断されないために、以下の点を徹底することが重要です。

  • 事業関連性を明確にする
    なぜ自社に自動販売機が必要なのか、その目的を客観的に説明できるようにしておく必要があります。「従業員の福利厚生のため」「来客へのおもてなしのため」といった明確な目的があり、その実態が伴っていることが重要です。例えば、従業員がほとんどいないのに何台も設置したり、来客のまったくない場所に設置したりすると、事業関連性を疑われる可能性があります。導入の経緯を稟議書や議事録として残しておくことも有効な対策となります。
  • 設置場所の妥当性
    自動販売機の設置場所も、事業関連性を示す上で重要な要素です。従業員休憩室や食堂、オフィスの共有スペース、工場の作業場、来客用の応接室や待合室など、従業員や来客が実際に利用しやすい場所に設置するのが原則です。社長室にのみ設置されている、あるいは事業とは無関係の社長の自宅に設置されているといったケースでは、個人的な支出と見なされ、経費として否認されるリスクが非常に高くなります。
  • 取得価額の社会通念性
    節税効果を高めたいからといって、社会通念上あまりにも高額な自動販売機を購入するのは避けるべきです。例えば、宝飾品が付属している、特殊な装飾が施されているなど、飲料を提供するという本来の機能・価値を著しく超える価格のものは、税務署から「贅沢品」や「趣味の品」と判断されかねません。市場価格から大きく逸脱しない、常識的な範囲内の価格の機種を選ぶことが賢明です。
  • 客観的な証拠書類の保管
    税務調査では、客観的な証拠がすべてです。購入した際の契約書、請求書、領収書はもちろんのこと、減価償却の計算書類や、特例制度を利用した場合はその適用に関する書類など、経費計上に関わるすべての書類を整理・保管しておきましょう。これにより、正当な会計処理を行っていることを証明できます。

3.2 設置スペースや電気代などの維持コスト

自動販売機の導入は、購入費用(またはリース料)だけで終わりではありません。設置後には継続的に維持コスト(ランニングコスト)が発生します。節税効果ばかりに目を向けていると、想定外の出費に悩まされることになりかねません。主な維持コストを把握しておきましょう。

コスト項目内容と目安
電気代自動販売機は24時間365日稼働させるため、継続的に電気代がかかります。機種の省エネ性能や設置場所(屋内・屋外)によって変動しますが、月々2,000円~7,000円程度が目安です。最新のヒートポンプ式やLED照明を採用した省エネタイプを選ぶことで、コストを抑えることができます。
設置スペース意外と見落としがちなのが設置スペースです。本体サイズだけでなく、商品の補充やメンテナンス作業のために、扉の開閉スペースや作業員の動線を確保する必要があります。設置前に十分なスペースがあるか、搬入経路は確保できるかを確認しましょう。
補充・管理の手間飲料メーカーなどに管理を委託する「フルオペレーション」契約でない場合、商品の補充、賞味期限の管理、売上金の回収、清掃などを自社で行う必要があります。これらの作業には従業員の時間という見えない人件費コストが発生することを忘れてはいけません。
修理・メンテナンス費用自動販売機を自社で購入した場合、故障した際の修理費用は自己負担となります。特に保証期間が過ぎた後の故障は、高額な出費につながる可能性があります。リース契約の場合は、月額料金にメンテナンス費用が含まれていることが多いため、この点も考慮して購入かリースかを検討すると良いでしょう。

3.3 すべての自動販売機が節税対象ではない

「自動販売機を置けば何でも節税になる」と考えるのは誤りです。特に、即時償却を可能にする税制特例を利用する場合、対象となる自動販売機には条件があります。購入方法や機種によっては、期待した節税効果が得られないケースもあるため注意が必要です。

  • リース契約は即時償却の対象外
    「少額減価償却資産の特例」や「中小企業経営強化税制」による即時償却は、資産を「取得(購入)」した場合に適用される制度です。そのため、所有権が自社に移転しないリース契約は、これらの特例の対象にはなりません。リース契約の場合、支払うリース料を毎月経費として計上することになります。これは損金算入による節税効果はありますが、購入して一括で経費化するような短期的な節税インパクトはありません。
  • 税制特例の適用要件
    自動販売機の購入価額によって、適用できる制度が異なります。
    ・10万円未満:消耗品費として一括で経費計上できます。
    ・10万円以上30万円未満:少額減価償却資産の特例」を適用すれば、年間合計300万円を上限に全額をその期の経費(損金)にできます。
    ・30万円以上:原則として法定耐用年数(7年)にわたって減価償却を行いますが、「中小企業経営強化税制」などの対象設備として認定されれば、即時償却または税額控除の適用が可能です。ただし、この税制はすべての自動販売機が対象となるわけではなく、生産性向上に資する設備としてメーカーからの証明書が必要になるなど、一定の要件を満たす必要があります。
  • 中古の自動販売機に関する注意点
    中古の自動販売機を購入した場合でも、経費計上による節税は可能です。中古資産は、新品よりも短い耐用年数で減価償却できるため、単年度の経費額を大きくできるメリットがあります。ただし、中小企業経営強化税制などの一部の特例は、原則として新品の設備を対象としているため、中古品では適用できないケースが多い点に注意が必要です。購入前に、利用したい税制特例が中古資産にも適用可能か、税理士などの専門家に確認することをおすすめします。

自動販売機節税の始め方 完全ガイド

自動販売機による節税に興味を持っても、具体的に何から始めれば良いのかわからない方も多いでしょう。ここでは、自動販売機節税を成功させるための具体的な4つのステップを、完全ガイドとして詳しく解説します。業者選びから確定申告まで、この手順に沿って進めることで、スムーズかつ効果的に節税を実現できます。

4.1 ステップ1 自動販売機設置業者を選ぶ

自動販売機節税の第一歩は、信頼できるパートナーとなる設置業者を選ぶことです。業者によって取り扱う機種やサポート内容、費用が大きく異なるため、自社の目的や状況に合わせて慎重に比較検討する必要があります。主に「大手飲料メーカー」と「専門販売会社」の2種類に大別されます。

4.1.1 大手飲料メーカー(サントリー・コカコーラ等)の特徴

サントリー、コカ・コーラ、アサヒ、キリンといった誰もが知る大手飲料メーカーに直接依頼する方法です。ブランド力による安心感が最大の魅力です。

メリット:

  • 圧倒的なブランド力と信頼性
  • 商品の安定供給と品質の高さ
  • 定期的なメンテナンスや補充、売上管理など手厚いサポート体制
  • 最新機種やキャンペーンが充実している

デメリット:

  • 取り扱い商品が自社および提携メーカーの飲料に限定される
  • 契約によっては売上ノルマが課される場合がある
  • 節税目的の「購入」プランよりも、手数料を支払う「フルオペレーション」が主流

4.1.2 専門販売会社の特徴

複数のメーカーの自動販売機を取り扱う独立系の販売会社です。節税対策を前面に打ち出している業者も多く存在します。

メリット:

  • 節税に特化したプランやコンサルティングを受けやすい
  • 複数メーカーの機種を比較検討でき、選択肢が豊富
  • 飲料だけでなく、食品や冷凍食品、オリジナルグッズなど多様な物販機も扱っている
  • 契約条件の自由度が高い傾向にある

デメリット:

  • 会社の規模や実績が様々で、信頼性やサポート体制の見極めが重要
  • 業者によってはメンテナンスが有料オプションの場合がある

節税効果を最優先するなら専門販売会社、運用面の安心感や手間を省きたいなら大手飲料メーカーという視点で選ぶと良いでしょう。複数の業者から相見積もりを取り、提案内容を比較することが成功の鍵です。

4.2 ステップ2 設置する自動販売機の種類と購入方法を決める

業者を選んだら、次に節税効果や運用コストに直結する「機種」と「購入方法」を決定します。特に、新品か中古か、購入かリースか、という選択は税務上の取り扱いに大きく影響するため、慎重に判断しましょう。

4.2.1 新品と中古どちらが良いか

自動販売機には新品と中古品があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。節税の観点からは、税制特例の適用可否が大きな判断基準となります。

新品の自動販売機中古の自動販売機
メリット中小企業経営強化税制などの特例が利用可能 メーカー保証があり故障リスクが低い 最新の省エネ性能で電気代を抑制 キャッシュレス決済など最新機能に対応購入価格が安く、初期投資を大幅に抑えられる 減価償却による経費計上は可能
デメリット購入価格が高い税制特例の対象外となる場合が多い 故障リスクが高く、修理費用が発生しやすい 保証がない、または期間が短い 旧型は消費電力が大きい傾向にある

即時償却など大きな節税メリットを狙うのであれば、税制特例の対象となる新品の購入が必須です。一方、とにかく初期費用を抑えたい場合は中古も選択肢となりますが、節税効果は限定的になることを理解しておく必要があります。

4.2.2 購入とリースの違い

自動販売機の導入方法には「購入」と「リース」があります。節税を目的とする場合、この選択は極めて重要です。

購入リース
所有権自社リース会社
会計処理資産計上し、減価償却費として経費化リース料を全額経費として計上
節税メリット減価償却に加え、少額減価償却資産の特例や中小企業経営強化税制(即時償却)の適用が可能。短期で大きな節税効果が期待できる。リース料を経費計上できるが、購入に比べて節税効果は小さい。即時償却などの特例は利用できない。
費用初期にまとまった購入資金が必要。初期費用は抑えられるが、総支払額は購入より高くなる場合が多い。

結論として、自動販売機で節税を行うためには「購入」を選択することが大前提となります。リース契約では資産計上ができないため、減価償却や税制特例を利用した大幅な節税は実現できません。

4.3 ステップ3 設置から経費計上までの流れ

機種と購入方法が決まったら、いよいよ設置に向けて具体的な手続きを進めます。契約から経費計上までの一連の流れを把握しておきましょう。

  1. 問い合わせ・見積もり依頼: 複数の業者に連絡し、設置場所の現地調査を依頼。希望する機種や運用方法を伝え、詳細な見積もりを取得します。
  2. 契約・購入: 見積もり内容を比較検討し、業者と機種を最終決定。売買契約を締結し、代金を支払います。
  3. 各種証明書の取得(特例利用時): 中小企業経営強化税制を利用する場合は、メーカーや工業会から対象設備であることの証明書を取得します。業者に代行を依頼できる場合もあります。
  4. 設置工事: 業者と日程を調整し、自動販売機を設置します。通常、半日~1日程度で完了します。設置場所によっては基礎工事や電源工事が別途必要になることがあります。
  5. 運用開始: 商品を補充し、販売を開始します。売上金の回収や釣銭の補充も始まります。
  6. 会計処理(資産計上): 購入した自動販売機を「器具及び備品」として固定資産台帳に登録します。この際、取得価額には本体価格だけでなく、運搬費や設置費など付随費用も含める点に注意が必要です。

4.4 ステップ4 確定申告での手続き方法

自動販売機を購入した事業年度の確定申告で、適切な税務処理を行うことで初めて節税が完了します。利用する制度によって手続きが異なります。

通常の減価償却を行う場合:
固定資産台帳に登録した自動販売機を、法定耐用年数(飲料自販機は7年)にわたって毎年減価償却し、その費用を損金として計上します。確定申告書に減価償却費の計算に関する明細を添付します。

少額減価償却資産の特例を適用する場合:
取得価額が30万円未満の自動販売機が対象です。購入費用全額をその事業年度の経費(損金)として一括で計上できます。確定申告の際には、法人税申告書の「別表十六(七)少額減価償却資産の取得価額に関する明細書」を添付して申告します。

中小企業経営強化税制(即時償却)を適用する場合:
要件を満たす新品の自動販売機が対象です。取得価額の全額をその事業年度の経費(損金)として一括で計上できます。この税制の適用を受けるためには、確定申告書に償却費が取得価額と同額であることを示す明細書や、工業会等が発行した証明書の写しなどを添付する必要があります。制度の詳細は、中小企業庁のウェブサイトで最新の情報を確認してください。(参考: 中小企業庁: 経営サポート「経営強化税制」

これらの税務処理は専門的な知識を要します。特に特例制度の適用要件は複雑であり、年度によって改正される可能性もあります。手続きに誤りがあると、税務調査で否認されるリスクもあるため、必ず事前に顧問税理士に相談し、指導のもとで適切な申告を行うようにしてください

自動販売機の節税に関するよくある質問

自動販売機による節税を検討する経営者の方から寄せられる、代表的な質問にお答えします。個人事業主や中古での購入、効果的な利益水準など、具体的な疑問を解消していきましょう。

5.1 個人事業主でも自動販売機で節税できますか

はい、青色申告を行っている個人事業主であれば、法人と同様に自動販売機を用いた節税が可能です

個人事業主の場合、事業のために使用する自動販売機は「事業用資産」として経費計上が認められます。具体的には、法人のケースと同様に、取得価額が30万円未満であれば「少額減価償却資産の特例」を適用し、購入した年度に全額を経費として計上(即時償却)できます。

ただし、法人が利用できる「中小企業経営強化税制」は、個人事業主は対象外となる点に注意が必要です。とはいえ、即時償却による短期的な節税効果は十分に得られるため、個人事業主にとっても魅力的な節税対策の一つと言えるでしょう。節税を検討する際は、ご自身の事業形態と適用可能な特例制度を正しく理解することが重要です。

制度の詳細については、国税庁のウェブサイトも併せてご確認ください。No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例|国税庁

5.2 中古の自動販売機でも節税効果はありますか

はい、中古の自動販売機でも節税効果はあります。場合によっては、新品よりも短期的な節税効果が高まるケースもあります

その理由は、減価償却の計算に用いる「法定耐用年数」が中古資産の場合、新品よりも短くなるためです。中古資産の耐用年数は、以下の簡便法を用いて計算します。

(法定耐用年数 − 経過年数) + (経過年数 × 20%) = 中古資産の耐用年数

例えば、法定耐用年数が10年の自動販売機を、3年落ちの中古で購入した場合の耐用年数は次のようになります。

(10年 – 3年) + (3年 × 0.2) = 7年 + 0.6年 = 7.6年 (※小数点以下切り捨てで7年)

耐用年数が短くなることで、1年あたりの減価償却費が大きくなり、より短い期間で費用計上が可能になります。これにより、短期的な利益圧縮効果、つまり節税効果が高まるのです。

ただし、注意点として、中古の自動販売機は「中小企業経営強化税制」の適用対象外となる可能性があります。この税制の利用を前提とする場合は、原則として新品の自動販売機を選ぶ必要があるため、専門家や販売業者に事前に確認することをおすすめします。

5.3 どのくらいの利益が出れば節税になりますか

法人税や所得税の課税対象となる利益(課税所得)が発生している企業・個人事業主であれば、基本的に節税効果は期待できます。特に、利益額が大きく、高い税率が適用されているほど、その効果は大きくなります。

節税の仕組みは、自動販売機の購入費用を経費として計上し、課税対象となる利益を圧縮することにあります。したがって、そもそも利益が出ておらず赤字の状態では、経費を増やしてもその年度の納税額は変わらないため、直接的な節税にはなりません(ただし、青色申告の繰越欠損金制度により、将来の黒字と相殺することは可能です)。

法人税率は、企業の規模や所得額によって異なります。以下は、資本金1億円以下の中小法人の法人税率の例です。

課税所得法人税率(軽減税率適用後)
年800万円以下の部分15%
年800万円超の部分23.2%

上記の表からわかるように、課税所得が800万円を超えている企業の場合、超えた部分にはより高い税率が適用されます。自動販売機の経費計上によって、この高い税率が適用される所得部分を圧縮できるため、節税効果はより顕著になります。決算が近づき、想定以上の利益が見込まれる際に、有効な対策の一つとして検討する価値は十分にあるでしょう。

まとめ

自動販売機による節税は、購入費用を「少額減価償却資産の特例」などを活用して一括で経費計上(即時償却)できるため、中小企業にとって有効な決算対策です。短期的に大きな節税効果が期待できるだけでなく、従業員の福利厚生向上や新たな収益源の確保といったメリットも得られます。ただし、税務調査で否認されないよう、事業との関連性を明確にし、適切な会計処理を行うことが重要です。本記事を参考に、自社に合った導入方法を検討し、賢い節税を実現しましょう。ある事業承継・引継ぎ支援センターに相談し、自社の状況を整理してもらうと良いでしょう。

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